FLOW COFFEE ROASTERYについて

東京・板橋のナノ・コーヒーロースタリーです。

FLOW COFFEEという名前は、「Go with the flow(流れに身を任せる)」という言葉が由来になっています。

夢だったはずのイギリス留学を16歳で叶えたとき、全く思い通りにいかない現実に苦しみ、もがいていた私は、英語の先生が言ってくれた「Just go with the flow!」という言葉に救われました。

生きていると、思い通りにいかないことや、自分ではコントロールできないことが、色々とあります。

そんなとき、流れに逆らったり、その場に留まろうと必死にもがくこともできます。苦しいですが、そこから学ぶことや得るものもきっとあります。また、そうしたいと思っていなくても、そうせざるを得ないときもあるかもしれません。

でも、できることなら、流れに逆らうのではなく、かといってただ流されるのでもなく、自分の意思でその流れに乗って気持ちよく泳ぎたい。自分で決められることに集中し、流れの中で見えるものを楽しみ、味わいたい。

そんな想いで、今日も、焙煎と、日々の生活と、向き合っています。

家庭料理のようなコーヒー

大量生産のコモディティコーヒーがファーストフード、優れた焙煎機で著名なロースターの作るコーヒーが高級フレンチや懐石料理だとすると、ハンドロースト(手網焙煎)や小型焙煎機(Aillio Bullet R1 V2)で作るFLOW COFFEEのコーヒーは家庭料理のようなコーヒーです。

きちんと品質管理のされた良い素材を使い、飲み手のことを想いながら丁寧に調理し、新鮮なうちに飲んでいただく。際立つ特徴や個性はないかもしれませんが、毎日飲んでも飽きの来ない「我が家の味」をお届けします。

FLOW COFEEのめざす味わい

飲んだ瞬間にわかるような個性や目新しさはないけれど、一口、もう一口、と、気づいたら飲み干してしまうコーヒー。カップ一杯飲んだときに、ほっこり、ちょうどいい満足感が味わえるコーヒー。そしてまた飲みたくなるコーヒー。そんなコーヒーをめざしています。

コーヒーは一般に、焙煎が浅い方が酸味が強めで苦味は弱くなり、深い方が酸味が弱めで苦味が強くなります。

スペシャルティコーヒーは、フルーティな、爽やかな酸味を引き出すために、浅煎りに焙煎されることが多いですが、私自身はコーヒーにそこまで酸味を求めていません。

私がコーヒーに求めるのは、深く吸い込みたくなるような香りと、控えめでバランスの取れた苦味と酸味、それから飲んだ後に残るほのかな甘味です。

甘さと香りが十分に引き出され、かつ、酸味と苦味がバランスよく感じられる焙煎度が、シティ・ローストだと考えているため、FLOW COFFEEでは、どんな豆を使っても、基本はシティ・ローストに仕上げます。

焙煎度が同じシティ・ローストでも、豆によって、そして焙煎方法によって風味は大きく変わります。

自分のめざす味わいに近づくために、どんな豆をどのように焙煎していくのか。決して終わることのない道を、ゆっくりじっくり、ときには寄り道もしながら、探究していきます。

いつも違う味

いつでも同じ味を提供するのがプロフェッショナルだとしたら、FLOW COFFEEはプロフェッショナルとは対極にあります。

素材や環境が変わる中で、いつも同じ味を提供できることは本当にすごいと尊敬しますが、一方で、それは、必ずしもおいしさの本質ではないと思います。

私は、いつも同じ味のコーヒーを作ることではなく、自分がさらにおいしいと思えるコーヒーを作ることを目指して、使う生豆も、焙煎の仕方も、勇気を持って、日々、変えていきます。

毎回違うFLOW COFFEEの味を、楽しんでいただけると幸いです。